散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

キラー・ジーンズ

ジーンズが人を襲うなんてZ級のワンアイデアにもかかわらず、ルックは安っぽくないし、怖いシーンはしっかり怖くて感心する。もちろん笑える、あるいは失笑のホラーコメディである。スプラッターにはユーモアが溢れる。一方で、ファストファッションが抱える極めてシビアな人権問題をテーマに忍ばせもする。取って付けたような社会風刺が、作品の主たる動機づけへと反転するラストの壮観。ゾンビ映画のフォーマットを的確になぞる。おそらくはとってもちゃんとした人達が大真面目にバカをやっている、その心意気に好感を持つ。


☆3.4