2022-10-19 ハイ・ライフ 映画ポエム レトロなデザイン、水のイメージ、内省的な内宇宙への潜水とタルコフスキーとの相似を数えるも、クレール・ドニのSF映画はむしろそれとは真逆の即物的な猥雑さに舵を切る。なんとも居心地の悪いセクシュアルな映像表現。これほど愛の手触りを感じられない映画もない。愛の介在しない生命の神秘、純粋な性の崇高さとでも言うのだろうか。漆黒の虚無に拒絶感と、半覚醒を漂う。 こうなるとやはりどうしても、宿す者とそうでないものの性差に思い至らざるを得ない。 ☆3.0