散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

2022-10-19から1日間の記事一覧

アース・トゥ・エコー

転校前夜、悪友たちとの最後の大冒険に永遠の友情を誓うはスタンドバイミー。 動画を撮ることが日常となったデジタルネイティブの、Z世代らしいナラティブに沿ったPOV演出には、星の数ほど存在する『E.T.』オマージュの作品群の中でも特筆すべきアップデート…

素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店

人生は続く、その途方もなさに絶望しながらも、人生は踊る。来週でも明日でもなく今を楽しめ、メメント・モリ。そうして生きよう。 安楽死の法制化を背景にしたブラックコメディかつ、なんと素敵なラブストーリー。死への逃避行に、死をも含んだ喜怒哀楽すべ…

スケアリーストーリーズ 怖い本

ハイティーン版『IT/イット』といった趣きのジュブナイルホラー。さすがのデル・トロ企画、クリーチャーの特殊造形には毎度、驚かされるものの、あの『ジェーン・ドウの解剖』の監督作とは思えない弛緩しきった語り口には正直、落胆を隠せない。 ☆2.9

ココディ・ココダ

あの時、こうしていればよかった、しかしどうすることもできなかった運命への後悔と絶望。繰り返される悪夢にループ物の本質を描き切る。ホラーであると同時に、生きるも死ぬも地獄の苦しみからの救済を願う、再生のドラマだ。白い猫は吉兆を呼ぶ。きっと夜…

ハイ・ライフ

レトロなデザイン、水のイメージ、内省的な内宇宙への潜水とタルコフスキーとの相似を数えるも、クレール・ドニのSF映画はむしろそれとは真逆の即物的な猥雑さに舵を切る。なんとも居心地の悪いセクシュアルな映像表現。これほど愛の手触りを感じられない映…