散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ソウル・ステーション パンデミック

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“緊急事態”に、国家は弱い者から順に切り捨てる。ただし、それは民主国家において民衆の本意であり、誰もが自分よりも弱い者を探して安心する社会の暗黙の序列である。

そうした社会に溜め込まれる不平不満は、いつか必ず実体を伴って暴発する。社会全体として、報いを受ける日がやって来る。

福祉の機能は単なる弱者救済ではない。相互扶助の精神が読んで字のごとく、人を助け、誰もが自らも助けられる社会を持続させるのである。

『新感染』とは同じ視座に立ちながら、まるで対照的なカタルシスへ。本編とそのプリクエルで描き分けられた光と影の物語は、韓流ゾンビ映画の金字塔にさらなる社会性を補完する。
さて、再び実写に戻る続編ではどんな地獄に光を当てるのだろう。


☆3.3