散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

FRANK ーフランクー

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誰のためでもなく、自分たちのために鳴らし続ける音楽。どこまでも続く孤独の地平に、各々の抱える絶望を轟音に溶け合わせるバンドサウンド

そこは特段、音楽の才能なんていらなかった場所。求められるは愛の才能とも言うべき感性──人として、より核心的な資質について振り分けられる、むしろよっぽど非情な宣告に打ちひしがれる。

ステージ上で繰り広げられるプラトニック且つ究極的にエロティックなコミュニケーションの発露に……羨望の眼差しを送っては、去りゆくばかりの我々凡人の悲しみよどこへ。


☆3.7