散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

SF/ボディ・スナッチャー

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真の恐怖は何処からともなく音も無く。目には見えない脅威が闇に紛れて忍び寄る。
気付いた時にはすでに遅し、変わり果てた世界に対抗する術もなく、ただ逃げ惑うばかりの少数者。

言葉を交わしているようで全く通じていない彼らは誰か。同じ人間のようでまるで違う、もはや人間の皮を被った得体の知れない何か。
変わってしまったのは世界か、まさか狂っているのは自分の方か。

もう逃げ道のない四面楚歌で声を潜め、感情を殺し、顔のない群衆に紛れてやり過ごす。
やがて思考するのもやめてしまえば、彼らと同じ、死んだ目をして町を歩く“エイリアン”。そうして抜け殻となった肉体は、二度と覚めることのない眠りに落ちてゆく。


☆Review

(2018/10/16)