雛形通りの三幕構成に、まるでエッジーではないハートウォームな予定調和。一見、陳腐に見えるおとぎ話も、衝動に正直な物語であれば、あるいは映画に誠実な映画であるのなら、それは人生に必要なコメディの一編なのです。
大海に迷い、暗闇に沈んでしまいそうな日に、折よくしがみついた救命ボートの安堵感。波に身を任せ、漂う海の心地よさ。そんなような。
どうせいつかは「絶望して死ぬしかない人生」で、コメディだけが束の間の休息をもたらすのです。
映画の夕べ。
雨上がりの“トワイライトゾーン”。
☆3.6
(2018/09/27)