散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

MAY -メイ-

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変わり者と疎まれ、日陰に生きる孤独な人々のために、ホラー映画などという好奇なファンタジーは存在するのだという基本の有り様を、この作品は思い出させてくれる。

恐怖に慄く叫び声は、誰かの「私を見て」という切実な心の叫びに呼応するものなのだ。

うまく人間関係を結べない者の、純粋すぎる愛の欲求。その倒錯的表現としてのグロテスク。

当然、愛おしさと切なさと、僅かながらの救いに胸が詰まる。


☆4.2

(2018/05/13)