散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

クレイジー・ナッツ 早く起きてよ

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エド・ウッドが遺した脚本を再構成して映像化するに留まらず、氏の映画愛こそを画面で語るということに成功していると思う。

サイレント映画へのオマージュを捧げるように、実直にカメラワークやカットの繋ぎを機能的に駆使して、空間の移動や時制の変化を操る。プリミティブな映画的運動が連なる喜劇に頰が緩む。

必ずしも物語やテーマ性に共鳴する必要はなく、頭を空っぽにして楽しめるとはこのこと。
謎の感動を覚えたら、それは時に不道徳でさえある見世物としてのイリュージョン。映画、それそのものへの感動なのだ。


☆3.5

(2018/04/25)