散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ヤング・アダルト・ニューヨーク

f:id:eigaseikatsu:20190208040604p:plain

ドキュメンタリー、フィクションのいずれにおいても主体は自分から対象、またその逆へと流動する。撮る撮られる、撮らされているの境界など曖昧なものだから。
私的であることがつまり人間的であることであれば、客観的な他者への視点と同様、それは普遍性を持った真実への探求に繋がる。
映画を作る意義はそのアティチュードにある。

“FAKE”を紛れ込ませたリアルも、虚構に見出される真実の内。映画の嘘の内であるが、大衆迎合を目的に利用するそれはでっち上げのペテン。 
映画のモラルの問題である。

頑なな“ピュアリスト”が子ども扱いされるのは致し方ない。
ただし、したたかな“大人”は時代を渡れても、世代を超える傑作は生み得ないはずなのだ。

フォーエバーヤング。


☆4.0

(2017/08/22)