下劣で醜悪なこの世界の現実に絶望した者が耽る“言葉による自慰行為”。
“死に至る病”に侵されながら日々やり過ごすための“オーガズムという鎮静剤”。
哲学とセックス。
リビドーを駆動とする書き手はどこまでも書き綴れる。
ひらめきを齎すミューズを次々と選り好みして。
ただしその効果もいつかは失われる。熱狂は冷める。
ロマンチストは幻滅する。
ロマンチストは自殺をもロマンティックとする。即ち殺人も、正当化される。
ロマンティカリーな実存。
されどもやっぱりシニカルに、予防線を張る。
☆4.0
(2017/08/19)