散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

教授のおかしな妄想殺人

f:id:eigaseikatsu:20190208034856p:plain

下劣で醜悪なこの世界の現実に絶望した者が耽る“言葉による自慰行為”。
死に至る病”に侵されながら日々やり過ごすための“オーガズムという鎮静剤”。

哲学とセックス。

リビドーを駆動とする書き手はどこまでも書き綴れる。
ひらめきを齎すミューズを次々と選り好みして。

ただしその効果もいつかは失われる。熱狂は冷める。

ロマンチストは幻滅する。
ロマンチストは自殺をもロマンティックとする。即ち殺人も、正当化される。
ロマンティカリーな実存。

されどもやっぱりシニカルに、予防線を張る。


☆4.0

(2017/08/19)