散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

イット・フォローズ

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少女は大人への境界線を跨ぐ時、その肉体は常に「それ」に見張られ、狙われていることを自覚する。
薄いピンクの膜に透かして覗かれる淡い青の風景には、所々、ビビッドな赤が滴り落ちる。
プール、海、雨に濡れる思春期の彼女たち。

“病”的なほどに囚われる“性”それ自体をメタファーに統一された、美しくも鬱々たる世界観。
しかし、“死”の恐怖からの逃走はつまり“生”への渇望を描く青春映画の、甘酸っぱさと希望溢れるラストカット。


☆3.9

(2017/7/13)