散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

死霊館 エンフィールド事件

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恐怖にも慣れはある。2時間は長い。
お化け屋敷も、暗闇に目が慣れるのにつれて危険は察知され始めるので、脅かす方も段々と強引になる。よっぽどバリエーション豊かに怖がらせないと飽きは来るし、それは“気持ちのいい怖ろしさ”ではなくなってしまう。
だから適切な時間と空間のバランスが大事。

悪霊はいつも死角に潜んでいる。
この状態が恐怖のピーク。
余白なく、観客は受け身ならざるを得ないアトラクション型の恐怖演出は、影が姿を顕にした途端にムードは一変してしまうのが弱点。

とはいえ、前半はメチャメチャ怖かったし、とりわけ画面の外側を意識させる多彩な恐怖演出は、VR時代にも繋がる映像表現なのかもしれないなんてことを10年代最新ホラーに思ったりもした。


☆3.2

(2017/7/08)