散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

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神話をモチーフに、『ダークナイト』以来の金字塔を目指した形跡は散見されるものの、決定的な欠陥は“ジョーカー”の不在。ヒース・レジャーがいない。
ジェシー・アイゼンバーグのエキセントリックでファニーな怪演は素晴らしいが、“ピエロ”とも“サイコ”とも呼べない“人間”の領域に収まった存在感は非力。神殺しを目論むのは“人間”でなければならないことに理はあるが、ヴィランとしてはいかんせんカリスマに欠ける。

非力と言うと、陰謀に踊らされるほどトンマなバットマンは残念を通り越して愛らしい新たな魅力を有しているわけだが、徹底して“人間”を愚かに描くということであれば、スーパーマンが覚醒しない『マン・オブ・スティール』の続編としては妥当な線か。

そしてジャスティス・リーグの序章である。
後に伝説化することが確定したワンダーウーマン爆誕
“Is She With You?”
否、女戦士がグズな男どもを引き“連れ”る新時代。
スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クインもそう、新たなヒロイン像の提示こそ前途多難なDCエクステンデッド・ユニバースにおける幸運な副産物であり、希望。

断固、民衆の善を疑い続けるDC派として、どんな珍作も肩入れして観ていきたい。
時世とキャラクターの妙によっては、どこかのタイミングで傑作が生まれ得る下地も出来つつある。
家族の不幸を乗り越えたザック・スナイダーの帰還を待ちたい。


☆3.8

(2017/6/24)

Is She with You?

Is She with You?

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