散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ダウンタウン物語

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コドモばかりのギャングのお遊びにジョディ・フォスターが登場すると、途端に魔法の時間が流れる。
一瞬の奇跡的なショットの写り込みを目撃できれば、それはそれで観た甲斐があったというもの。
ありとあらゆる取るに足らない映画でも、その宝探しでは何かしらの大事な記憶を持ち帰ることができる。

今作において、当時13歳のジョディ・フォスターの悪魔的な妖艶さ。もしかしたら、最も彼女がフォトジェニックに切り取られたフィルムだと言っても過言ではないのかもしれない。
微笑みの口元に見え隠れするすきっ歯と、コメディ調(コドモのケンカはパイ投げで!万事解決!)に垣間見えるあどけなさが、まだ世のオトナたちの平静を保たせるが、一歩踏み越えてしまったのが同年の「タクシードライバー」ということだろうか。


☆2.8

(2017/3/23)