散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

アラビアのロレンス

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青く澄み渡った空に一点、灼熱に照りつける太陽の光。地平線の彼方まで続く砂漠の白に、ぼんやりと浮かぶ黒い点は、ラクダに乗った人の影だ。

たかだか40インチ程度のテレビ画面では、この歴史的大作の映像美に特段の驚きを得ることは叶わなかったが、それでも、蜃気楼が誘う最果ての地で、運命に逆らっては天命に翻弄され、変貌していく人間の形相を拝むには十二分であり、その時空をも超えるようなジャーニーに、少なからず自己投影し得る現代性までを帯びたスケールを有する名作。


☆3.5

(2017/2/23)