静寂を突如として襲う暴力の衝撃。
恋とバイオレンス、正義と悪、生と死。隣り合わせのロマンティックとグロテスクが融合する甘美。耽美と露悪に共立するこの世界のリアル。
寡黙な男がその腕力によって愛する者を守る、愛のむきだしに痺れる。
静謐な画調にネオンピンクが映えるヴィヴィッドな色彩設計、言葉を極力排したミニマムな演出が、ソリッドに浮き立たせる刹那。
“ドライバー”の鼓動を聞かせる、80’ s風エレクトロのグルーヴがフィジカルに訴える。
ポップでレトロで、キッチュでクラシックな趣きが濃縮された美意識は、最早、神話性を纏い、その“スタイル”に心酔する。
私的、マチズモの極北。至高の、ハードボイルド・ロマンス。
☆Review
(2016/09/07)