海外ドラマ雑感
この世の因果律が罪人に牙を剥き、終わりのないゲームは章を新たにする。一盛一衰。そしてまた長き夜が続く。 まやかしの二者択一に、都合のいい現実を踏襲することを否定する若人たちの穢れなき信念に反し、そのストーリーボードはまだ白紙のまま。脱構築の…
闇、濃くなりし今。偽りにも純粋な善が。捻じ曲がった正義には邪悪が。紐解かれていく真実が愛の疵を残して、新しい世界に生きる者と古い世界に死ぬ者を別つ。無慈悲なまでのこの世界の道理が、その本性を露わにする。 ★5.0 (2018/09/21)
タチの悪い冗談みたいな“作り話”。感情移入を許さないフザけた人間たちが善悪のトチ狂った磁界に引き寄せられ、次々と鮮血を流して死んでいく様をただ傍観する、悪い夢でも見るかのように。 ★3.0 (2018/09/15)
「物語」の道筋を照らすはずの灯火はまた一つ、二つと消え、夜明けは再び暗闇に飲み込まれる。時に吐露される穢れなき言葉、交わされる真心も虚しく、愛の濁った血がやはりすべてを洗い流してしまうのか。 さらに濃くなりし闇、その向こう側で。壁の向こうに…
振り返れば過去に追われ、闇が延々とその身を纏う。覚めぬ悪夢に引きずりこまれる終着も自らが選んだ人生だったか。嘔気のする暗渠から届かぬ暁光を見上げる。 ★3.5 (2018/09/06)
外宇宙にもしもの世界が広がる"SF"という装置は、愛の欲望や、罪の罰や、恐怖、ノスタルジーといった潜在意識の赴くままに、「夢」と呼ばれるあり得べき別の人生を内宇宙に存在させる。そして現実は揺らぎ、アイデンティティの境界、ひいては人間の定義まで…
神のいるところに邪悪は巣食う。闇の支配する夜空を見上げれば浮かぶ点と点を線で結び、光の物語を視る男。人を寄せ付けず、野暮な科白など一切受け付けない高尚な御託を並べ立てては、真実の証明に狂う病者の眠らぬ暁闇。カタルシスなき悪夢の連鎖に一つ、…
「愛」という名のエゴという、極めて人間的な原理が善も悪もない混沌の闇を一層濃くする。しかし壁に映る影が光の僕であるならば、まだ見ぬ希望の灯火が何処かで必ずや揺らめいていることだろう。 ★4.0 (2018/08/30)
血で血を洗う権力闘争の剥き出しの欲望と鬩ぎ合いし、信じるにたる人間の尊厳とは。かくも無慈悲に破れたり。然らば、「氷」のように冷たく凍りつかせた瞳。復讐の「炎」は地獄のように我が心に燃え。 ★4.5 (2018/08/28)
音もなく忍び寄る怪異。抗えない死のグロテスク。 ★1.5 (2018/08/25)
いくら抵抗を企てようとも大局を覆すには至らない。大いなる運命からは逃れられない不条理にこそ、あり得たかもしれないもう一つの世界の幻想、或いは虚構より覗かれる“現実”の諸相に希望を託す。 ★3.0 (2018/08/22)
史実を記録したり、戯画化して描き出す現在、過去。未来までも見通すそれは、あり得たかもしれない世界の可能性を映写する。光と影に見出される真実の希望や、絶望に当てられた人生は後戻りできない。信じるにたる「映画」には、その世界を一変させる何かが…
筋書き通りの「物語」をそれでも演じ続ける人間の性。自己疑念を抱き、人生に意味を探し求める人間にとって慰めとなる悲劇。すべては苦しみに連携する記憶の迷路を彷徨い歩くのは、この苦痛だけがこの美しい世界との絆だから。 ★3.5 (2018/08/18)
信じるに足る「物語」への、信仰。 一人の男を救っては弄ぶ神々の、戦争。 ★4.0 (2018/08/15)
もう劇場映画を撮るモチベーションにないと語ったリンチが、クリエイティブ面を完全にコントロールして完遂させたテレビドラマは、やはりクライマックスに向けてカタルシスを昇華させる映画的な喜びに満ちた18時間の大長編であった。 撮り溜めた断片を繋いだ…
★3.5
ゲットダウン第1話。5億点。物語に欲するすべての要素がここに結実されていると思えるほどの特別な、“俺のドラマ”との出会いであったことを記録しておきたい。 ★5.0 (2016/10)
★3.0
★3.5
★4.5
シーズン1 ★4.0 シーズン2 ★3.5 シーズン3 ★3.5
★3.5
★3.0
★4.0
シーズン1 ★5.0 シーズン2 ★4.5 シーズン3 ★5.0 シーズン4 ★5.0 (2016/9)