『ロスト・ボディ』からの『ロスト・アイズ』。主演女優つながりで、共にスパニッシュ・スリラーの良作。
盲目のヒロインというある種の定型に加え、進行性の病に侵されていく不安感、閉塞感を画面の視野狭窄に表す恐怖演出。“見えない”という絶望と隣り合わせの暗闇を、光を“見る”メディアに追体験するアンビバレンツなストーリーテリングの妙。
そして、事の動機づけには『ミザリー』的な倒錯した愛のグロテスクが明かされ、映像的にも本質的にも目に焼きついて離れない、もう忘れることのできない強迫観念にとらわれるだろう。
☆3.3