散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

CURED キュアード

移民問題や、アイルランドという土地に暗い影を落とした宗教対立の歴史を念頭に、差別と迫害、その恐怖と憎しみの連鎖構造をゾンビ映画の社会性に浮かび上がらせるメタファーのはずが、文字通りの意味での“パンデミック”を経験し、小説より奇なる現実を目の当たりにする現在にあって、それはより実際的に重なって見えてしまうのである。本当に怖いのは人間の方だ、なんて陳腐な言い回しさえも確度をもって機能する。


☆3.1