散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ゴーストランドの惨劇

マーターズ』の衝撃。あれ以来、トラウマホラーという呼称も軽々しく使えなくなったほど、他の有象無象とは一線を画すパスカル・ロジェの残酷嗜好。その恐ろしくも美しいまでの恍惚の映画体験は、『トールズ』を挟んでおよそ10年ぶりの今作にも通ずる。

人形のように扱われ、極限にまで追い詰められる少女の“物語”には、それだけ過酷な現実への“世界観”が反映される。少女が女になる痛み、またそれからの苦しみに共感を抱く者に救済と解放のカタルシスを、いまだ無垢なる者たちの心には深い傷痕を残す。これぞトラウマホラーの真髄よ、再び。


☆4.3