散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

観察者

深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだというあれ。

愚かさを選ぶ自由とその代償について。窃視の欲望に呑み込まれていく女の主人公像に現代性を見ては、男のそれよりも遥かに生々しいサスペンスの行方を悶々とただ傍観するばかり。

言わずもがな、目で見る映画という表現方式にうってつけの『裏窓』的モチーフ。


☆3.6