散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

アメリカン・スリープオーバー

今なお煌々と輝くあの夏の思い出が、希望のまぼろしを灯し続ける。故にその終わり、その後の生涯にわたり暗い影を落とし続けてもいる。

もう二度と訪れない切実で退屈な日々の喪失をロマンチックに、そして特権的な愚かさをもって描く。珠玉の青春群像劇。そう、ぼくたちの「神話」はいつだって美しく悲しい。

次作『イット・フォローズ』に現出するような“それ”でなくとも、限りある一夜の明くることの意味を誰もがすでに知っているのだから。


☆3.5