散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

魔女の宅急便

元気で明るい女の子。その純真さゆえの“魔法”を失い、痛みを知って大人になる。人の醜さ、悪意なき残酷に触れ、一方で紛れもないやさしさにも包まれて、その複雑な社会というものの自らも一員となるべく通過儀礼。労働によってのみ迎え入れられる世間にもまれ、汚れまみれながらも逞しく生きる術を手にする。暗闇にこそ光る“奇跡”を見つめるまなざしを得る──。誰もが通り過ぎたであろう輝かしい季節、青春映画の僕らのバイブル。ニシンのパイの名シーン。


☆4.4