散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

20センチュリー・ウーマン

いくら教わり学ぼうとも客体的ならざるを得ない、決して“私”にはなり得ない僕らの、男の語る女性性など。むしろフェミニズムに雄弁なほど、欺瞞さえ入り込む危うさに怯えながら、所詮は実感とは程遠い机上の論に疎外感を覚えながらも、しかし時代の要請において、あるいは常にこの世界の主役たる彼女たちへの、ある種の憧憬を孕んだ自由への賛歌を捧げる。それは啓蒙や連帯とも違う、共感とは真逆のアプローチにおいて。あくまで一つの“歴史”を尊ぶ、“僕”があなたを見つめる眼差し。


☆3.3