散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

パターソン

忙しない日常のすき間、モノクロームの世界を彩る思索に耽る。言葉の世界に救いを見出す我々(誰しも)詩人の営み。ルーティン。代わり映えしない日々の繰り返し、何が起きるでもない、しかしこの穏やかな時の流れを噛みしめるように。韻を踏むように、同じようで少しずつ変わっていく街の喧騒も、木々の、川のせせらぎに風の匂いも、五感に触れるすべての音楽を──マジカルにリズミカルに輝かせてみせる。感情を記憶しようと記す。刹那を永遠に残そうと願う。“愛の詩”を詠う。君の頬にキスをする。なんて幸せなまどろみの中。まるで夢か幻のような。


☆4.2