散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

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忘れられない記憶とともに忘れたくない思い出がある。どんな悲しみにも愛おしさを孕む、そんな過去を、故郷を、捨て去ることが大人になるということならば、ぼくらは一向に子どものままで構わない。誰より“ルーザーズ”の誓いを胸に、見果てぬ悪夢と戯れながら、あの夏の永遠に留まり続けよう。

スタンド・バイ・ミー』のその後がハッピーエンドを見るべくもなく、その変奏も同じ。もう二度と戻れない、あの頃のようには生きられない。儚さこそが美しい──そんな過ぎ去りし青春の風景に揺らめく闇に死のイメージ。すべては変わりゆく世の理を記した辛く悲しい“物語”。


☆3.3