韓国製、モキュメンタリーホラーの最先端。
POVの一人称視点を軸に、小型化、多機能化する最新ガジェットの多彩なカメラワークが、前後左右、そして上空へとその臨場感にさらなる奥行きをもたらす。
特に“アクションカメラ”の導入は画期的で、テレビ的な浅薄な演出に陥ることなく、登場人物の表情に同期して感情移入してしまうという映画的な特性を見事に活かしたホラー表現に成功している。
ゆっくりと、じっとりと忍び寄る怪異。Jホラーにも通ずる、その湿っぽい心霊現象の不穏はエンドロールを終えてもなお身にまとわりつくほど。目を閉じれば、脳裏に焼き付いた恐怖映像が何度でも眼前に広がってしまう余韻……。
お風呂で頭を洗うのに背後を気にするなんて、ほんとうに何年ぶりのことだろう。
☆3.8
