見渡す限りの荒野を、駆ける馬は少年を乗せて、嘶きは郷愁を誘うカントリーミュージックと重なって落日の空に染み入る。詩情豊かに、滅びゆく歴史のピリオドが綴られる──それは西部開拓期の“黄金時代”への、あるいはインディアンの文化、消滅するフロンティアへの、そして西部劇というアメリカ映画史への──レクイエムのようでもあった。
二つのルーツを持つ、あるいは一つのルーツも持ち得ない“混血”のよそ者を演じるブロンソンの孤高の背中。ないしは孤独の哀愁を遠くに見送る。狼の挽歌。
ブロンソンの愛妻シリーズ第4弾。
☆3.7