2019-03-27 アメリカン・ハニー 映画ポエム 『フィッシュ・タンク』と同様、アンドレア・アーノルドのカメラは社会の底に“鎖”で繋がれながらも純真を宿す愛おしき少女のすぐそばを片時も離れずに横顔を見つめ、彼女の見つめる世界を肩越しに映す。 無軌道に。道なき道をゆく──“野良犬”の群れの如く、帰る家なきはぐれ者たちの終わりなき旅。夢は儚く、明日も何も、町は違えど変わることなく続いていく日々。邪悪とは無縁の、清く愚かな永遠の子どもたち。 “神様なんかくそくらえ” 無垢が自由と愛と、優しさへの本能であらんことを。 ☆4.3