散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ショック集団

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神は滅亡を願うとき、まずは人を狂わせる──ならば、世界は絶えず滅亡に向かっているのだろう。

社会性の中で精神の均衡を保ってこそ人間は人間らしくいられる。ところがいつの間にか、あるいは元来その社会の方が狂ってしまっているのだとしたら。心を偽り、異常な正気を演じ続けるのか、果ては情動を失い、“さまよう幽霊”となり廃人と化すその日まで。

虚実の倒錯する長い、長い廊下で──終りの見えない色を失った悪夢にアメリカの肖像、その病巣が浮かび上がる。


☆3.3