散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

パシフィック・リム アップライジング

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イェーガーの軽量化に象徴されるかのように、いかにも続編らしい続編の軽さ、薄さ、その結果の凡庸さ。パシリムのトランスフォーマー化というのは、なんとしても避けたかったものだが……。

皮肉にも、過去の偉業を引き継ぐにはあまりに軟弱な新世代というテーマ性を二重に孕んだ凡シリーズと化してしまった。
今日的な映画状況と照らし合わさざるを得ない。必然的な失敗が虚しい。

それでも、一人一人が半人前ならチーム戦で勝負だと、凡才を誤魔化すことなく、白昼堂々とその負け戦に挑む姿は潔い。

「記憶にこだわるな、過去を忘れろ!」

と、弱々しい無力感を吐露しながらも。
抗えない時代の潮流に対し、愚直にも立ち向かうことを選んだ者たちの、“スクラッパー”の如く戦いにはやはり胸を熱くするものだ。


☆3.6