散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

スウィート17モンスター

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あー痛い。もー見てられない。
一番思い出したくないあの頃の黒歴史を引っ張り出してきて、さらけ出しちゃって。ようやく最近はそれほど気にすることもなくなった古傷をわざわざ抉り返すようなこと、どうしてするかね。

実際のところは、彼女のように真っ当にこじらせられなかった思春期こそが逆にコンプレックスだったりするのだけど、それはともかく、彼女のような17歳ではなかったにせよ、この青春映画の持つ普遍的な眼差しには、まだじくじくと痛む過去の記憶が例に漏れず呼び覚まされるというものだ。

そんなあまりにリアルな追体験にも明確なファンタジーが一つ、二つ。つまり、現在の私たちがまだ子どもだった私たちに差し伸べる救いの手。
彼らの愛情を借りて。物語の力を借りて、触れないように放置してきた古傷もついには癒えるのである。
忘れてしまいたい過去を見つめ、認めてあげることができた時、やっと本当の意味での大人に成長するのだろう。

ひとりぼっちで食べたフローズンヨーグルトの味だって懐かしく思えてくるのさ。


☆4.2

(2018/07/14)