鳥瞰すれば、たった一つや二つの小さな黒い影が消えゆくだけの取るに足らない道理のこと。
それをわざわざブルージュという詩的な街を舞台に、クソ軽妙なダイアローグやクソ美しいピアノの旋律や、クソシャレオツなアート映画の“パスティーシュ”は紡がれ、ファッキン・フェアリーテールは上演される。
起きながらにして夢見心地な。
夢と言っても、悪夢のようで。
クソって叫びが表すように。
最低でもあり最高でもある。
地獄みたいな、天国みたいな。
映画みたいな。
クソ野郎と美しき世界よ。
生き続けることでしか贖えない永遠の罪に、デッドマンの瞳を溢れる涙の粒は悲しくもやはり美しい。
☆3.6
(2018/4/02)