最新の映画より、古い映画を観るのが好きだ。できれば遠い外国の映画がいい。
風や臭いまでまとめて切り取られた当時の街の風景に、時代のそれ、若者のそれを感じられる映画。
少しの間タイムスリップして、知り合うはずのない人々に思いを馳せて、自分を重ねて。今ではないいつかの、ここではないどこかにいる“悪友”たちとの時間が救いになる。
ローリング・ストーンズを出囃子に奴がスローモーションで登場してきた時、いつまでもこの最高な瞬間が続けばいいと思った。
ソウルフルな音楽に、荒々しく瑞々しいカメラワークに、映画は踊る。魂の苦悩を描きながら、軽快なダンスを映画は踊らせる。
デ・ニーロとハーヴェイ・カイテルの掛け合いそれだけでずっと見ていられた。若き日の特別な友情の回想を。
なのに映画は所詮映画であると、短いダンスはヘタに唐突な絶頂を迎えて終わってしまうのだ。
☆3.3
(2017/12/13)