散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

わたしを離さないで

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キャリー・マリガンつぶらな瞳を静かに零れ落ちる一筋の涙。
叫びは、怒り。悲しみ。
ジェラシーの、悔恨と償いと。
愛の体温。

静謐に流れる時間の中に、うねる命の温もりを感じる。
じっと見つめ、そっと触れる。耳を澄まして、繊細に揺れ動く情感を捉えようと願う。

自分は何者であるか、ありたいか。この人生の目的は、希望は。
誰も何も、生の意味など理解することなく終わりの時を迎える。
幼き日々より続く記憶をただ抱きしめて……

会いたい人は思い出の中にいる。
人生は、“生きた”過去に物語られる。


☆4.6
(2017/11/03)