散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ロブスター

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相性の良さげなパートナーを選び合う行為は、生物が本能的に持ちうる競争原理を勝ち抜くために結ばれる契約関係に過ぎない。
結婚という社会制度において、規範に従うべく義務的に愛をしているつもりの欺瞞を嘲笑う。
一方で、禁じられようとも抑えきれないロマンスが、我々が愛と呼びたがるそれの嘘と本当の差異を明かす。

抑圧への反撥によって得られる愛ならば、自愛から解放された自由意志も愛の証明になり得るはず。
愛が愛で在り続けるための分水嶺に彼は立っている。 


☆4.4

(2017/07/28)