散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

サウルの息子

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瞼を閉じることで目を背けることは出来ても、ぼやけた視界が直視することを避けても、耳に劈く叫びの声がこびりついて離れない。

まさにこの世の地獄、“死の工場”にあって守り抜こうとした人間の尊厳。

感情移入を拒み、カタルシスを排し、悲劇をただ愕然として目撃させる表現は、決して彼らを冒涜することなく歴史を未来へ語り継ごうとする試み。


☆3.7

(2017/7/10)