流氷に乗る弱ったアザラシを徐々に徐々に、確実に、時間をかけて追い詰めて仕留めてしまうシャチの狩りなど、海のハンターたちのドキュメンタリーを見たのがつい先日のこと。
今作の敵はサメではあるが、彼らの狡猾さを目の当たりにした上で、今作の孤立無援の状況はまさに絶望でしかなかった。
生か死か、二つに一つの極限の闘い。
死に直面し、自らの生命力を総動員して生還し、新たに生の実感を“手”にするドラマは、『ゼロ・グラビティ』の名を挙げて称賛するのもやぶさかでない力強さがあった。
☆3.7
(2017/6/28)