散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

波止場

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“見ざる、聞かざる、言わざる”が賢い世に、それでも人は正しきことを捨て切れない。
不正を正す良心。痛む良心とは、どこにあるのだろう。
償いから芽生え、怨恨によって働かされるものが正義なら、人間はあまりに無力ではないか。
はたまた、他人の悩みを我がことのように語る我々の義憤などというものこそ、傍観者の欺瞞に過ぎないのだろうか。

一体何人の英雄が、何度立ち上がれば、大勢は沈黙するのを止めるのだろう。


☆3.6

(2017/2/16)