散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

Hotel ホテル

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ホテルで働き始めた若い女、同僚の冷たい視線、裏手に広がる雑木林と魔女の伝説、そして失踪した元従業員の謎。これらを配置し、ミヒャエル・ハネケを彷彿とするとも言えなくもない(実際には直接的な影響下にあったわけではないそう)、何とも言い難い不穏な質感で纏めれば、十分なスリラーとして成立。
中心に据えられる軽く結われたブロンドの存在感も、今作のテクスチャにおける重要な美術。

起承転結や、伏線は回収されて然るべきといった既成概念に縛られない希少品。


☆3.7

(2016/03/26)