散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

アーカイヴ

夢ならば覚める。悪夢とて終わる。それが過去に起因する記憶の“アーカイヴ”に過ぎないとしたら。現在、未来へと絶え間なく押し寄せる時間の波に埋もれ、その喜びや悲しみさえもやがては薄らいでいく人間の無常。片や、命ある限りにおいて、永遠を有する人工知能の絶望。

エクス・マキナ』の後塵を拝す、近未来SFの型を模したメロドラマ。しかしそれゆえに、“ヤマナシ”の陸の孤島に籠城する男の悲恋に感情移入の涙を禁じ得ない。


☆4.1