散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ハンナ・アーレント

“悪の凡庸さ”を巡る哲学的問いに並行して、ハイデガーとの師弟関係や、激烈な世間の風当たりにも屈しない一人の思想家、一人の人間としての女性像を描くヒューマンドラマはまさしく「理性と情熱の一体」をなす語り口。
愚かな思考停止を許さない、極めて理性的なアンチカタルシスハンナ・アーレントを語るに相応しい分別と、曰く、つまりは確かな美意識を感じさせる。


☆3.2