散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

血を吸うカメラ

“PEEPING TOM“というタイトルに呼応して、ヒッチコック似の変態紳士が通りすがる“コメディ”。

大事そうに抱えるシネカメラの、その先端に仕込んだ鋭利な刃物に男の性的不能を覗かせる。倒錯的な欲望への犯行を理性的なカメラワーク、照明の演出で魅せる不確かな情緒。映画監督なるものの狂気の一端を垣間見せる。


☆3.1