散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

マンディ 地獄のロード・ウォリアー

これはどえらいドラッグムービー。本邦にて合法的にそのトリップなる酩酊感を味わえる上物。甘美で夢幻的な愛の風景から、章を隔て、血みどろバイオレンスのゴアが襲う暴力的なまでのサイケな明滅。ヨハン・ヨハンソンの遺したスコアの轟音が脳髄を響かせ、快、不快の顛倒を引き起こす悪夢的ヴィジョンを一身に浴びる。理性を排除し、意味やアレゴリーから独立した表層表現のあまりにカルトな映像体験。心に巣くう闇を一層、濃く美しく、そして浄化するものであろう。


☆3.2