日陰に生きる者たちの怒りがモンスタームービーに仮託されるかのように、第四の壁を超えてスクリーン狭しと大暴れするグレムリンの姿にはしばし胸のすく思いも抱かせる。
やりたい放題、欲望のままに歌い騒ぐ自由への謳歌、ともすれば無邪気なバイオレンスへの享楽。“小悪魔”の高笑いにつられるがままに、誰の心にも潜むその破壊衝動をもコメディに解放してみせるダークファンタジー。虚構、であるならばこその悪フザケの限りを尽くす、闇夜のカーニバルは続く。ガーゴイルは羽ばたく──。どうせハッピーエンドが訪れるまでの、“ヒール”の逆襲を思う存分。
☆3.7