金庫破りvs.シリアルキラーというワンアイデアに終わらない、恐怖表現への「匠の技」が光る。
『ソウ』続編シリーズの脚本家コンビとあって、いわゆるソリッドシチュエーションなる現代的な舞台設定は踏襲しながらも、その趣きはむしろ一昔前のスラッシャー、ジャーロなんかを思い起こす“厭な”手触り。極彩色のゆらめくカメラワークと神経を逆撫でする間欠的な音楽の不協和音は、アンチカタルシス、バッドエンドの誘惑を漂わせる。
まさか「ワナオトコ」なんてフザけた邦題のB級ホラーにイタリアの映画史を辿ることとなろうとは。
☆3.6