東京という街に微塵の憧れもなければ、この国に何の期待もしていない。
もう、ここではないどこかに夢を抱くこともない。
けれども、私のではない誰かの風景に涙が頬を伝う。
やっぱり僕らは新海誠を卒業して大人になる。そして時々、赤い糸に結ばれるセカイの幻想を振り返っては涙する。
ドアの外に立つ君の姿を思い出して、あり得たはずの過去・未来を含むこの多元宇宙のぜんぶを「すきだ」と想う。
“運命だとか未来とかって言葉がどれだけ手を伸ばそうと届かない場所で僕ら恋をする”
ロマンチックの共犯者たちよ。
いつ終わるやも知れぬ日常を、一生、いや何章でも、生き抜いていこう。
☆4.2
(2017/11/13)