散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

キャプテン・マーベル

出しゃばるな。感情的になるな──。など、差別的なつもりでなくとも社会規範の如く内面化してしまってきた抑圧、女はかくあるべしという刷り込みをことごとく覆していくグランジガール。怪訝なまなざしを向ける群衆を割って闊歩する様の痛快なことよ。

フェーズ3最終盤にして、満を辞しての初登場も納得の存在感。その名の通り、我らがキャップの葛藤を踏襲する正義。屈しない、何度でも立ち上がるという普遍の価値はマーベルヒーローの“エネルギー・コア”だ。たった一作のイントロダクションで少女たちのお手本となるべく、そしてエンドゲーム(“終戦”)への救世主ともなりうる説得力を持った新世代の女性ヒーロー誕生を描き切る。


☆3.7