散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

FREAKS フリークス 能力者たち

てっきり『ルーム』のような監禁事件ものとして推移していくのかと身構えるも、まったくの思い違い。さながらX-MENシリーズのスピンオフとでも数えられるような、差別や迫害のテーマを下敷きにしたスーパーヒーロームーピーが展開する嬉しい誤算。低予算的なルックがむしろ、少女の目に映る小さな世界の大きな物語の歪さを、丁寧に、夢幻的に独特な風合いを醸し出す。一方で、クライマックスにかけてはマーベルよろしく壮大なBGMと共に、手に汗握るアクションにカタルシスの解放を見る。堂々たるエンターテインメントに、マイノリティへの感情移入を切実に訴えかける人間ドラマだ。


☆3.7